走れメロスはおかしい?どこが違和感なのかと魅力について徹底解説
走れメロスはおかしいの?
どんなところに違和感を感じるの?
など走れメロスに対してのツッコミどころが気になっている人は多いでしょう。
そこで本記事では、走れメロスがおかしいと言われる理由について解説します。
本記事は以下のような人にオススメです
また、最後には走れメロスの魅力についても紹介するので、ぜひ最後までご覧ください。
走れメロスがおかしいと言われるポイント
本章では「走れメロスがおかしいと言われるポイント」を6つ紹介します。
それぞれ順に解説していきます。
本当に走ったのか
走れメロスがおかしいと言われる点は、本当に走ったかが描かれているシーンが少ないからです。
仮に走ったシーンがあるのであれば、もっと描かれているはず。
加えて「スタスタ」や「シュー」など、走っている擬音も使われていません。
つまり、急いでいると言っているシーンはあるが、本当に走ったか定かではないのです。
したがって、走れメロスはおかしいといった意見になってしまうと言えます。
血が吹き出ていたはずなのに話せている
血が吹き出ていたのに、フィロストラントスと話せていた点も、走れメロスがおかしいと言われる理由です。
「メロスは、いまは、ほとんど全裸体であった。」
「呼吸も出来ず、二度、三度、口から血が噴き出た。」
この文から読み取るに、メロスは3度も血を吐いています。
3度血が出るのは、相当な重傷でしょう。
実際、現実で血を3度も吐くとなると、何も動けない(話せない)のが一般的な状態。
しかし、メロスは血を吐いているのに、フィロストラントスと喋れています。
非現実的な状況なので、走れメロスはおかしいと言われてしまうのです。
なんで怒っているのか
走れメロスがおかしいと言われるポイントとして、なんで怒っているのかが挙げられます。
冒頭でいきなり「メロスは激怒した。」でスタートするからです。
本来どんなストーリーも以下のような展開でスタートします。
・作品の紹介(テーマなど)→事件が起こる→解決など
つまり、起承転結が明確に分かれています。
しかし、走れメロスは主人公が冒頭から怒っているというおかしな状況です。
したがって、走れメロスはおかしいといった意見になってしまうのです。
買い物をするのに短剣を持っていた
また、買い物をするのに、短剣を持っていた点も走れメロスがおかしい理由です。
「買い物を、背負ったままで、のそのそ王城にはいって行った。」
「たちまち彼は、巡邏じゅんらの警吏に捕縛された。
「調べられて、メロスの懐中からは短剣が出て来たので、騒ぎが大きくなってしまった。」
普通の生活をしていて、短剣を持っているのはありえません。
現代で考えれば、包丁を常に持っているのと同義です。
銃刀法違反で捕まるので、探検を持っているのはおかしいでしょう。
しかし、メロスは持っていたので「走れメロスは設定がおかしい」と言われてしまうのです。
友であるはずのセリヌンティウスを人質にした
友のセリヌンティウスを代わりに人質に差し出した点も、走れメロスがおかしい理由です。
「セリヌンティウスは、縄打たれた。メロスは、すぐに出発した。初夏、満天の星である。」
セリヌンティウスはメロスからすると、大切な親友であり、絶対に何もされたくない人間です。
つまり、人質として差し出すのは違和感のある行動と言えます。
実際、現実で自分が捕まって、仲のいい親友を差し出すことで解放してもらおうと考える人はいないでしょう。
メロスの考え方が最悪すぎることから、走れメロスはおかしいと言われているのです。
メロスが王の暗殺の目的を忘れている
さらにメロスが冒頭で王の暗殺を目的にしていたが、終盤では忘れている点もおかしい理由です。
冒頭:「呆あきれた王だ。生かして置けぬ。」
終盤:「万歳、王様万歳。」
王様は終盤で、国民から万歳と言われて、メロスにマントを被せます。
冒頭では、メロスは王様に対して殺意を持っていたのにです。
何があったかの詳細もあまり描かれずに、暗殺の目的を忘れています。
そのため、話の流れがおかしいことから走れメロスに対して違和感を感じてしまうのです。
走れメロスがおかしくない理由
また、走れメロスはおかしくないという意見もあります。
そこで本章では「走れメロスがおかしくない理由」を紹介します。
なぜおかしいのが間違いなのか知りたい人は必見です。
文学的な技術が多く使われている
走れメロスがおかしくない理由として、文学に関する技術が使われていることが挙げられます。
太宰治は独自の言葉遣いや絶妙な文章構成を駆使して、感情や思考の揺れ動きを表現しています。
結果【読者の共感】や【感銘を引き出すこと】に成功しているのです。
つまり、走れメロスの表現は意図的に作られたものであるということ。
したがって、走れメロスはおかしいとはならないと言えます。
人々から愛されている
また、人々から愛されている点も、走れメロスがおかしくない理由です。
走れメロスは、国語の教科書としても採用されるほどに人々から愛されています。
むしろ、おかしい点があるからこそ、国語表現として学ぶのに最適とされているとも捉えられるでしょう。
したがって、走れメロスはいい意味で読者に考える隙間を与えているので、おかしくないと言えます。
おかしいと言われる走れメロスの魅力
本章では「走れメロスの魅力」を3つ紹介します。
おかしいと言われる走れメロスの魅力が知りたい人はぜひご覧ください。
登場人物の個性が濃い
走れメロスの魅力として、登場人物の個性が濃いことが挙げられます。
走れメロスには、以下のような登場人物が現れます。
- メロス
- セリヌンティウス
- フィロストラントス
- 妹
- 王様
どれも個性溢れるキャラクターばかりです。
特にメロスに関しては、起伏が激しいキャラクター。
また、セリヌンティウスのやり取りは、友人との関わりなど学べることが多くあります。
そのため、走れメロスは国語としての読み物として、感情移入しやすい作品と言えます。
人間の葛藤が描かれている
走れメロスの魅力として、人間の葛藤が描かれている点が挙げられます。
走れメロスは、主人公のメロスが友人セリヌンティウスの無実を訴えるために命をかける物語です。
作品の中でメロスは自らの信念を貫くために苦難に立ち向かい、結末に至ります。
人間の内なる葛藤や信念との闘いが描かれており、読者はその姿に感銘を受けることでしょう。
考察できることが多い
また、考察できることが多い点も、走れメロスの魅力の1つです。
走れメロスは冒頭でも解説したように、様々なおかしい点があります。
言い換えれば、考察ができる点が多いということ。
例えば、ワンピースのように謎が多い漫画は頻繁に考察がされています。
伏線や謎が多いが故に「神作品」といった声も挙がります。
走れメロスも同様に謎多き作品なので、魅力が多いと言えるでしょう。
まとめ:走れメロスがおかしいと言われる理由はストーリーの違和感
本記事では、走れメロスがおかしいと言われる理由について解説しました。
結論、走れメロスがおかしいと言われる理由は【ストーリーに違和感がある】からです。
例えば、買い物へ行く際に短剣を持っていたり、友を人質にしたりと現実では考えられないことが起こります。
そのため、走れメロスがおかしいといった意見が挙がってしまうのです。